りっかりっか*フェスタ2018アジアTYAネットワークプログラムレポート

誰もが、子どもたちの人生をより良いものにするために、TYAに献身している。
周 姗姗 (中国)

アジアTYAネットワークプログラムに参加する機会をいただいたことに感謝したい。参加と活動を通して、さまざまな国における現在のTYAの活動について深く理解できただけでなく、たくさんのすばらしい作品に出会い、演劇の手法や、演劇活動のやりかたについて学ぶことができた。

まず、ネットワークのプログラムのデザインと調整自体が学び、記録すべきものだった。最初の自己紹介の時点から、マレーシアやラオス、タイ、ミャンマーなどの東アジアの国々におけるTYAのユニークな発展について学ぶことができた。特定のメンバーによって進められたテーマに沿ったディスカッションでは、さまざまな地域でのさまざまなTYAの活動を深く掘り下げることができた。公演後の特別なディスカッションでは、アーティストや劇団とより直接的なコミュニケーションをとる機会となった。ワークショップではそれぞれのメソッドについて学んだ。スコットランドデーのイントロダクションでは、イギリスの素晴らしいTYA団体の多くの人たちと、ただ挨拶する一瞬の交流ではなく、イギリスのTYAについて深く知ることができたのは興味深かった。

個人的にも、中国からの参加者としても、日々の活動はとても近く調整されていた。毎日劇場から劇場に移動し、世界各地のTYAの仲間たちといろいろな話をできたのはとても幸せだった。初めは、中国でのTYAはまだ始まったばかりのため、向上していくのはとても難しい、という話をした。中国は非常に歴史の長い伝統的な文化背景を持っているが、TYAは現代の親子にとってはまだ新しいトピックである。長い間、私たちは児童演劇以前に、劇場に行くという習慣自体を持っていなかった。そのため、中国のTYA実践家たちは市場を開拓するのに苦労している。

しかし、ラオスなどの国でのTYA活動について話を聞いた後、自分たちの困難がそこまで困難と思えなくなった。多くの東南アジアの国々では、市場の問題だけでなく、宗教や社会発展など、より複雑で難しい問題と直面している。それでも、彼らは足をとめずに活動を続けている。身体障がいのある子どもたちのためのTYAについても話を聞いた。10年以上、お金をもらわずにTYA活動を続けている人たちもいる。村にアートセンターを建てて、村の住民誰もがTYAや芸術、文化活動に参加できるようにした人たちもいる。誰もが、子どもたちの人生をより良いものにするために、TYAに献身している。

りっかりっか*フェスタでのプログラムは、毎朝10時に始まり、夜10時まで続く、楽しくて充実したものだった。こういった大変な仕事の中で、りっかりっか*フェスタのスタッフは各参加者の感情面でのケアも忘れなかった。到着日の台風についての情報更新だったり、イベントのなかで出てくるさまざまな問題への我慢強く温かい対応だったり。プロフェッショナルで、熱意のある仕事の姿勢をみせてくれた。

すべてのプログラムに参加することができなかったのは残念だったが、この1週間で学んだこと、話したことは大きな収穫であったし、また来年も是非参加したいと思っている。

Asian TYA Network
周 姗姗
Shanshan Zhou
中国
Beijing Lightbox Culture & Art Company
ジェネラルディレクター