りっかりっか*フェスタ2017レポート

私たちのスキルを、社会の問題に対する意識を高めるために活用し、これからの世代により明るい展望を持ってもらえるように使っていきたい。
Khamhou Phanludeth (Tou) (ラオス)

思い出深い体験のまとめ
アジアTYAネットワークプログラムレポート

Khamhou Phanludeth (Tou)
www.samsians.com

大きなタスク

個人的に、この思い出深い体験を言葉でまとめるというのは簡単な作業ではない。実際、かなり手強いタスクである。日本では素晴らしい時間を過ごした。素敵な街で、新しい最高の友人たちに出会い、世界中から集まった素晴らしい人たち、刺激的なアーティストが参加する大きなフェスティバルに参加した。那覇で経験したことを今思い起こそうとすると、思い出が蘇るとともに、改めてあの遠い地で出会った新しい友人たちとの特別なつながりを感じている。

さまざまな感情

光栄なこと

まず、りっかりっか*フェスタに参加できたことをとても光栄に思う。ずっと必要としていた、しかし機会がなかった、新鮮で、目を開かせるような旅だった。フェスティバルを通して、芸術や創作、舞台芸術は社会を豊かにする大きな役割を果たすもので、それは見落とされてはならないことであることを再認識した。りっかりっか*フェスタは、たくさんのパフォーマンスと驚きで毎日私に温かい感情を与えてくれた。出会った人たちは皆同じような考えを持っている人たちで、それぞれが遠く離れたところからやってきて、初めて出会ったにもかかわらず、言葉を交わす必要もないほどすぐに通じ合うことができた。

つながり

多くの人と初めて出会うことになったが、その誰ともすぐに打ち解けることができた。私たちが皆同じようなことを考え、コミュニティや人々のため同じようなヴィジョンや情熱を持っているからだ。さまざまな創造性というものが、人と人を瞬時に繋げる本当の橋なのかもしれない。

新しい希望という感覚

新しい友人たちの活動や挑戦、アプローチについて知ることで、私たちは皆、さまざまな課題に同じような道筋で立ち向かっていることがわかってきた。自分たちの活動が、地域や国、そして東南アジア、さらには世界にポジティブな変化をもたらす力を持っているのだという、新しい希望を感じることができた。さまざまな可能性が生まれ、私たちのアイディアはその境界を広げるためにたくさんの水や栄養が必要だということを感じた。

真のインスピレーション

今、今回の旅をいくつかのキーワードにまとめようとしていたところ、突然一番ふさわしい言葉が浮かんだ。それは、”フェスティバルは真のインスピレーションである”ということである。準備段階を含めて、この度に関わる全てが自分にインスピレーションを与えてくれた。飛行機に乗って、アジアTYAネットワークプログラムに参加し、りっかりっか*フェスタに参加したことすべて。仲間たちがやっていることを知り、彼らの地域や都市、国のための目標や課題、ヴィジョンを学ぶことで、たくさんの刺激をもらった。そして、私自身の活動やこれからのプロジェクトについて再度考えさせてくれた。

挑戦は、良いこと

プログラムの他の参加者がこれまで成し遂げてきたことを思うと、時にこのプログラムの中にいることにプレッシャーを感じることもあった。このメンバーの中に、自分がいて良いのか、という疑問を抱くこともあった。難しさや、居心地の悪さを感じることもあった。それに対する自分の対策方法は、フェスティバルにあらゆる面でより深く関わり、経験するということだった。質問をするために手を挙げたり、自分の頭ではやめたほうが良いと思いながらもアイディアを共有したり、自分が通常快適に思うところから少し踏み出していった。

楽しさと、学びの素晴らしいコンビネーション

日本に来るにあたり、スポンジのように、出会うものすべて吸収したいと思っていた。このイベントは、学びの機会に溢れていた。

アジアTYAネットワークプログラムのメンバーから彼らの背景や活動、挑戦やヴィジョンについて聞き、本当にたくさんのことを学んだ。それぞれのメンバーがそれぞれの国で直面している課題や、そういった課題をどのように解決しているかを聞くのは興味深く、彼らの戦略の中でどういったことがラオスの私たちの状況でも適用できるかを考えた。

一番大きな学びは、フェスティバルで話をする機会があった全ての人たちの話に本当に関心を持って耳を傾けることができたことだった。アジアTYAネットワークのファシリテーター、主催者、TYAミーティングの仲間たち、パフォーマー、プロデューサー、演出家、世界へつながるTYAクリエイションシリーズの講師たち、経験豊かな日本の演出家、ボランティア、パーティーのオーガナイザー、那覇の人たち、フェスティバルに世界各地から集まった人たち・・・。それぞれの人がやっていることを少しずつ知り、学ぶこと自体が、すでに大きなインスピレーションだった。

この旅の全ての瞬間が、自分にとっての宝物になった。日本への旅路、初めて日本に降り立ったこと、ゆいレール、パーティー、街中の道、那覇市、朝のジョギング、新しい友人との古い城への訪問、深夜の散歩・・・同じラオスからの友人と初日の遅めのランチに食べた沖縄の美味しいスープは人生で一番美味しかった。

将来へのインスピレーション

フェスティバルでの体験を通して、私たちは自分自身を見つめ直し、自分がやっていることを新しい視点で考え直すことができた。これから前に進んでいくために、どういったことを改善していくべきなのか、より明確なプランを立てることができるようになった。

ラオスで、児童青少年のための作品を上演する機会や劇場を作っていきたいと考えている。舞台芸術を人々の日常生活の一部に戻していくために、また国内の僻地にも届けていくために、いくつか戦略を立てることができた。

私たちのスキルを、社会の問題に対する意識を高めるために活用し、これからの世代により明るい展望を持ってもらえるように使っていきたい。

自分たちの真のヴィジョンに立ち返り、自分たちが信じるものを強く持ち、曲げたくないものは曲げずに進んでいきたい。

アジアTYAネットワークプログラムに参加した何人かと、今後のコラボレーションについて話を進めている。フェスティバルが与えてくれたインスピレーションに、とてもワクワクしている。

感謝の気持ち

今回の機会を与えてくださったこと、そしてこのフェスティバルを実現している全ての人たちに感謝したい。りっかりっか*フェスタのような大きなイベントを開催するのは簡単なことではない。主催者の信念と、支えてくれる人たちの手助けがなければ、私たちラオスの仲間達はここに来ることさえできなかっただろう。皆さんの創造性と芸術への貢献に、ありがとうという言葉では十分に気持ちを伝えきることもできない。

日本で迎えてくれたホストの皆さんの毎日のおもてなし、親切な心遣い、優しい笑顔に感謝する。ずっと忘れないだろう。フェスティバルで出会った新しい友人たち、あなたたちはすでに私たちの一部である。皆さんと同じようなクリエイティブな旅路を歩めることを光栄に思う。

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Khamhou Phanludeth (Tou)
ラオス
Samsians Graphic Studio / Lao New Wave Cinema
ディレクター・共同設立者
りっかりっか*フェスタ参加者